交通事故を起こした直後、
「ドラレコの映像を確認しなきゃ!」
そんな余裕は、正直ありません。
実際には、安全確保や負傷者の確認、警察への通報、相手との連絡先交換など、先にやるべきことがたくさんあります。
私自身、交通事故捜査を担当していた頃、多くの事故現場に臨場しましたが、事故直後からドラレコ映像を確認している当事者はほとんど見たことがありません。
だからこそ、少し落ち着いてから気になってくるのが、
「ドラレコのSDカードは警察に持っていかれるのか?」
「映像はどう扱われるのか?」
という疑問です。
結論から言うと、ほとんどの事故でSDカードそのものを持ち帰ることはありません。
ただし、事故後の対応を誤ると、大切な映像が上書きされたり、必要な記録を失ったりする可能性があります。
今回は、事故現場で実際に警察がドラレコをどのように扱っているのか、元交通事故捜査担当の視点からお話しします。
警察は最初からドラレコを確認しているわけではない
ドラレコが普及した現在でも、事故現場で最優先になるのは映像確認ではありません。
まず行うのは、
- 負傷者の確認
- 救急要請
- 二次事故防止
- 交通整理
- 当事者からの事情聴取
などです。
ドラレコの有無を確認するのは、その後になることがほとんどです。
実際の現場では、
「ドラレコは付いていますか?」
と確認し、
映像がある場合には、
「見せてもらえますか?」
と協力をお願いする流れになります。
なぜSDカードを丸ごと持っていかないのか
ドラレコのSDカードを警察がそのまま持ち帰ると思っている方もいるかもしれません。
しかし、一般的な事故では、SDカードそのものより映像データが重要です。
そのため、
- 必要部分を確認する
- データをコピーする
といった対応で済むことがほとんどです。
また、事故は警察が到着した時点で終わりではありません。
当事者同士のやり取りや、その後の現場状況も続いていきます。
事故直後にSDカードを抜いてしまうと、その後の記録が残らなくなる可能性もあります。
ハイブリッド車で意外と多い落とし穴
近年はハイブリッド車や電気自動車が増えています。
こうした車では、
「エンジンを切ったつもり」
でも電源が残っていることがあります。
その状態ではドラレコが録画を続けていることがあります。
特に容量の小さいSDカードでは、事故映像が上書きされるリスクもあります。
ただし、事故直後は安全確保や通報が優先です。
安全確保や通報が済んだら、車の電源を完全に切ることが大切です。
当事者が知っておきたいSDカードの話
事故後、慌ててSDカードを抜いたり、ドラレコを操作したりするのはおすすめできません。
一方で、何も知らずに放置してしまうのも危険です。
大切なのは、自分のドラレコが、
- 衝撃録画を保護するのか
- どのくらい録画できるのか
- 上書き保存の仕組みはどうなっているのか
を普段から理解しておくことです。
また、ドラレコに付属しているSDカードは容量が小さいことも少なくありません。
高画質化が進んだ現在では、録画データは思った以上に早く埋まります。
ドラレコが対応している範囲で、容量の大きいSDカードへ交換しておくことも有効な対策です。
保険会社も映像を確認したがる
ドラレコ映像は警察だけが利用するものではありません。
保険会社も事故状況を確認するため、映像の提供を求めることがあります。
そのため、
「警察に見せたから終わり」
ではなく、
データのコピーを手元に残しておくことが大切です。
まとめ
事故直後はドラレコよりも、
- 安全確保
- 負傷者の救護
- 警察への通報
が優先です。
そのうえで、
- ドラレコが付いていることを伝える
- むやみに操作しない
- 保存方法を確認する
- データのコピーを残す
ことを意識しましょう。
警察がSDカードをそのまま持ち帰るケースは多くありません。
それよりも、
「大切な映像を失わないこと」
の方が重要です。
事故後の対応で大切なこと
事故直後は、誰でも動揺します。その場から離れたくなる気持ちも、自然な反応です。
しかし、現場を離れた場合、「ひき逃げ」「当て逃げ」として扱われる可能性があります。
注意していただきたいのは、「動揺していたから」という理由は、法的には行動の免責にはなりません。動揺していた状況であっても、「現場を離れることを選んだ」という事実として扱われます。
気持ちがどんな状態であっても、まず現場にとどまること。
それだけで、その後の状況は大きく変わります。
私の思い、願い
交通事故は、被害に遭った方とその家族に、深く長く続く悲しみをもたらします。
そして加害者もまた、その事実を生涯背負っていかなければなりません。
誰にもそんな思いをしてほしくない。
そんな事故が、一件でも少なくなってほしい。それが、このブログを書いている一番の理由です。

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